幼老複合施設という、保育園の機能と高齢者福祉施設の機能を併せた施設が注目されています。
高齢者だけでなく子どもたちがいる環境を作ることで、高齢者の生活に刺激を与え活動性を高め、認知機能や運動機能の低下を食い止めることが目的です。

そこで勤める介護職員の仕事は、もちろん高齢者たちの介護であり生活のお手伝いです。
ですが、それに加えて子どもたちと触れ合える環境であることを考え、子どもたちと高齢者の両者にとって過ごしやすい環境の整備を行うことも大切な仕事であると言えます。

まず高齢者と子どもでは室内の適温が違います。
子どもたちは活発に動くのですぐ汗をかき、少し涼しいくらいが過ごしやすい反面、高齢者は体温調節が苦手であることもあり、あまり涼しすぎる環境は適していません。

他にも、子どもたちが振り回したり転んだりする高齢者の杖などは遊び場から遠ざけなくてはならず、また、子どものおもちゃを踏んで高齢者が怪我をしないように注意をしなければなりません。
子どもの怪我も避けなければなりませんが、特に高齢者は些細な衝撃でも骨折してしまう可能性があります。
高齢者は一度骨折してしまうと活動性が大幅に低下し、運動機能が下がってしまうことで寝たきりになってしまうことも少なくはありません。
本当に子どもと高齢者にとって過ごしやすい環境はどんなものなのか、幼老複合施設で働く職員は常に考え、目を光らせていなければいけないのです。